人間関係

才能溢れる天才『ギフテット』は、生きづらい?その理由と無理せず生きていく方法とは?

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類まれなる才能で、数々の功績を残している「ギフテッド」

生まれながらに持つ高い「才能」に注目されがちですが、「ギフテット」は天才ゆえの苦悩から生きづらさを感じています。

幼少期に才能を見逃されたまま大人になり、才能を伸ばせないうえに悩みだけを抱えてしまっている「ギフテット」も意外に多いのが現状です。

それでは、「ギフテッド」には、どのような特徴や悩みがあるのでしょうか?

また、無理せずに生きていく方法はないのでしょうか?

この記事では、ギフテッドが生きづらい理由と無理せず生きていく方法をご紹介します。

目次

1.特異な才能の持ち主「ギフテッド(Gifted)」

1-1「ギフテッド(Gifted)」とは?

「神からの贈り物」という意味で「Gifted」と呼ばれ、「知性」、「創造性」、「芸術性」、「リーダーシップ性」「特定の学問分野で高い達成能力」など生まれながらに高い「才能」を持つ人のことを指します。

「ギフテッド」の定義は国や地域によっても異なりますが、「IQ130以上」であることが指標のひとつとして挙げられます。

生まれつきの特性であり、早期教育することで獲得できるものではありません。

1-2 ギフテッドの割合

「ギフテット」の一般的な指標「IQ130以上」とした場合、その割合はおよそ人口の2%程度

しかし、音楽や芸術、運動の才能といった知能指数では測りきれない「ギフテッド」を含めて考えるとまた異なる数値となります。

2.「ギフテッド」と「アスペルガー症候群」の違い

「ギフテッド」と「アスペルガー症候群」はいくつか共通する特徴があります。

そのため、「ギフテッド」なのに「アスペルガー症候群」や「ADHD」などといった発達障害と誤診されているケースも少なくありません。

判断に迷った場合は、どのような違いがあるか確認してみましょう。

2-1 広い分野に探求心を持つ

興味や探求心を持つ分野の広さは、「ギフテッド」と「アスペルガー症候群」のわかりやすい違い。

「ギフテッド」は、さまざまなものに興味を持ちますが、「アスペルガー症候群」は限定的な物事へのこだわり・興味を持ちます

ただし、興味を持ったものにはとことん集中し、完璧主義になってしまうところは、「ギフテッド」と「アスペルガー症候群」の共通点といえます。

そのため、「ギフテッド」と「アスペルガー症候群」の違いを見極めたいときは「集中力の高さ」ではなく「好奇心の広さ」に注目してみましょう。

2-2 統率能力がある

「アスペルガー症候群」は自分のペースを大切にする人が多く、周囲の様子をうかがったり、人を引っ張って先頭に立つのが苦手

それに比べて「ギフテッド」は、周囲の信頼を得て統率することも得意とします。

もちろん「ギフテッド」においても、統率能力の高さには個人差がありますが、必要にかられれば人前に立つことをいとわないのであれば、「アスペルガー症候群」よりも「ギフテッド」の可能性が高いといえます。

2-3 コミュニケーション能力がある

うまく相手の立場に立てず、コミュニケーションにつまずきやすいのは、「アスペルガー症候群」の大きな特徴

それに対して「ギフテッド」は、相手の感情を読み取ることや言葉のニュアンスなど機微を感じ取ることも得意で、コミュニケーション能力が高い人が多いのが特徴です。

数ある言葉の中から、自分の気持ちやその場に合わせた言葉を的確に選定できるので、周囲の人からは「話し上手」と思われることも。

ただし、中には状況にかかわらず、わからないことを即座に質問してしまったり、相手の間違いを鋭く指摘したりして、場の空気を壊してしまう人もいます。

そのため、コミュニケーション能力の高さだけで「アスペルガー症候群」ではないと決めつけるのではなく、他の違いと合わせて総合的に判断することが大切です。

3.「ギフテッド」の種類

3-1「英才型」

全般的に高い知能を持つ人のこと

認知能力や記憶力などの能力が高いため、学業成績が非常に優秀な傾向に。

周囲からも優秀に見えるため、才能を伸ばすための機会に恵まれやすい傾向にあります。

3-2「2E型」

「2E」とは「twice-exceptional」のことで、「二重に例外」という意味。

「ギフテッド」と「発達障害」を併発している状態です。

ある分野では突出した才能を示しますが、苦手なことはとことん苦手な傾向に

「発達に凸凹がある」などと表現されることも...。

飛び抜けた能力が見受けられるものの、マイナス面の印象が強くなりがちです。

そのため、才能に気づかれることなく過ごしがち。

学校の先生や友だちだけでなく、両親や自分自身すら気づいていないことも...。

4.顔つきでわかる?「ギフテッド」の特徴

「アスペルガー症候群」や「ADHD」などといった発達障害と誤診されてしまうことも多い「ギフテット」

「神からの贈り物」を授かっても、うまく使いこなせなければ、意味がありません。

そのためには「ギフテッド」について理解を深めることが大切です。

それでは、「ギフテット」は世代別にどのような特徴があるのでしょうか?

4-1「ギフテッド」の子どもの特徴

言葉を覚えるのが早い

親の会話やテレビなど流れてくる言葉を聞いただけで、どんどん自分の中の語彙を増やします

必ずしも覚えた言葉を早いうちから話し始めるわけではなく、膨大な知識に口がついていかず、覚えた言葉を話し始めるのが遅い子どももいます。

知識欲が強く、好奇心旺盛

わからないことがあると何でも質問します。

時には大人でも答えられないような難しい質問して、周囲を驚かせることも…。

IQが高く幅広い物事に興味を持っている「ギフテッド」の子どもは、学校で習う前から文字や数字、英語に興味を持つ傾向にあります。

集中力が持続する

子どもが集中できる時間の目安は「年齢+1分」

興味のあることと限定的ではありますが、何時間でも集中力を失わずにいられます

一度集中すると寝食さえ疎かになってしまうことも…。

4-2「ギフテッド」の高校生の特徴

勉強ができる

学校で優秀な成績を収める傾向にあります。

知的好奇心が強く、自ら進んで勉強するうえに、理解力や記憶力に優れているため、テストでは毎回のように良い点数が取れる傾向に。

しかし、中には「知りたい」という欲求が強すぎて先生に次々と質問し、授業を中断させてしまうことも…。

クラスで孤立することがある

興味を持つ対象は多岐に渡ります。

時には政治や経済など、同世代の興味とは別方向のものに惹かれることもあり、周囲とうまく馴染めずに浮いてしまうことも…

また、集中すると周りが見えなくなるため、友だちと協調できず、孤立することも珍しくありません。

生きづらさに悩むことも…

高校生にもなると感受性はさらに豊かになります。

他人との差異に気づき始めるでしょう。心身ともに大きく成長する思春期。

周囲との違いをマイナスに捉えてしまうことも。

そうなると、生きづらさや今後の人生に対する不安が生まれ、悩みを抱えてしまうことに…。

有能だからこそ感じる「生きづらさ」は、高い「才能」を持つ人が一度はぶつかる壁です。

4-3「ギフテッド」の大人の特徴

仕事で大成功を収める

近年、「多様性」を認める傾向が強く、「ギフテッド」の人でも働きやすい労働環境が整いつつあります。

「才能を生かせる職種」や「才能を活かせる職場」を見つけた「ギフテッド」は、仕事で成功を収めます。

また、「ギフテッド」は単に能力が高いだけでなく、統率力が高いのも特徴。

才能を高く評価されることで、出世に繋がります。

他にも、独創的な視点やセンスを生かして起業して、成功を掴む人も。

職場の人間関係に悩む

仕事内容では評価されるものの、職場の人間関係に悩みやすいのは、大人の「ギフテッド」ならではの特徴。

人はIQが20離れている他人と会話が成立しないと言われています。

さまざまな知能指数の人がいる職場。

学生時代とは違い、苦手な人とも協力して仕事をしなければなりません。

そのため、人間関係に悩む傾向にあります。

他にも、仕事に完璧を求めることで、周囲と軋轢を生んでしまうことも…。

成長意欲を失わない

年齢を重ねても成長意欲を失わず、いつまでも探求心と向上心を持ち続けます。

年齢による衰えを自覚していますが、それ以上に好奇心が勝つので、どんどん新しいことにチャレンジできます。

常に最先端のものを取り入れるため、みずみずしい感性を保ち続け、若々しい人が多い特徴があります。

4-4「ギフテッド」の大人は顔つきに特徴が現れる?

例外もありますが、「ギフテッド」の大人は男女ともに中性的な容姿をしているという特徴があります。

「男らしさ」や「女らしさ」に捕らわれず、分け隔てなく物事を考える傾向があります。

性別の差にこだわらない考え方が、見た目やファッションにも現れるため、中性的な雰囲気をまとった人が多いといわれています。

4-5「ギフテッド」の特徴は男女で違う?

現時点では、男女の特徴の違いは、存在しないといわれています。

そもそも「ギフテッド」は、性別に捕らわれない柔軟な思考するので、ほとんど男女差がありません。

ただし、「同調」を重要視している「ギフテッド」の女性は、周囲になじむために自然に能力を見せないようにする傾向に。

また、日本にはまだまだ「男性を立てる」という風潮も残っています。

これも女性の「ギフテッド」が萎縮して能力を隠してしまう理由だと考えられます。

5.ガードナーによる『MI(Multiple Intelligences)理論』

ハーバード大学の教授であるハワード・ガードナー氏による『MI(Multiple Intelligences)理論』では、知能は8つに分類されると定められています。

どの能力が優れているのかは「ギフテッド」によって、個人差があります。

知能を総合的に捉え、得意・不得意を探していくことが大切です。

5-1『音楽・リズム知能』

メロディーやリズム、ハーモニーなど認識し表現する能力と感受性に長けています。

作詞や作曲、演奏などの能力が高く、音楽を聞いただけですぐに楽器で再現可能。

言葉の音やリズムに敏感で、無意識のうちに抑揚やリズムを刻んでいることも。

韻を踏んだ文章も書けます。

『音楽・リズム知能』の特徴

  • 歌うのが好き
  • ずっと音楽を聴いている
  • 楽器の上達が異常に早い
  • 曲の共通点を見つけ出せる etc...

5-2『対人的知能』

心の機微を感じ取り、相手の求めていることを感知する能力に長けています。

統率力が高く、周囲の士気を高めることが得意とします。

『対人的知能』の特徴

  • 友だちが多い
  • いろいろな人と話すことが好き
  • 中心人物になることが多い
  • 様々なグループに属する etc...

5-3『論理・数学的知能』

論理的なパターンや関係性、抽象的な概念でも対応できます。

数字を扱った証明が得意で、物事の規則性や法則性を導き出して体系化できます。

『論理・数学的知能』の特徴

  • 実験が好き
  • 課題の設定が得意
  • 質問が論理的
  • 規則性を探る研究が好き
  • 話の矛盾に気づく etc...

5-4『博物学的知能』

身の回りの事象に対して疑問を持ち、違いや共通点を見つけることが得意です。

基準や視点を決めて分類・整理できます。

『博物学的知能』の特徴

  • 動物が好き
  • 地図を見るのが好き
  • 勉強した内容を他の分野でも応用できる etc...

5-5『視覚・空間的知能』

物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など空間を認識することが得意です。

絵や図を見たときに一瞬で感覚的に理解します。

そのため、理由を問われても説明できないこともあります。

『視覚・空間的知能』の特徴

  • 絵を描くことが好き
  • 組み立てが得意
  • 映像を見るのが好き etc...

5-6『内省的知能』

自己を正確に把握し、それに基づいた行動を取るのが得意です。

自分の得意なことは積極的に行い、苦手なことは早めに相談できます。

自分の関心に沿って研究を続けることで大きな成果を得ることがあります。

『内省的知能』の特徴

  • マイペースに行動する
  • 関心のあることには徹底的に詳しくなる
  • 自分の関心に沿って積極的に行動できる etc...

5-7『言語・語学知能』

話をしたり、文字や文章を書くなど、巧みに言葉を使いこなすことが得意です。

論理的な話し方や人を引きつける話し方ができるため、説得力があります。

『言語・語学知能』の特徴

  • 本を読むのが好き
  • 文字や文章を書くのが好き
  • 話が上手
  • 人前での発表が得意 etc...

5-8『身体・運動感覚知能』

考えや感情を自分の身体で表現したり、物を作り変えることが得意です。

手先が器用で、芸術的な作品を作れます。

また、運動神経がよく、いろいろなスポーツもそつなくこなします。

『身体・運動感覚知能』の特徴

  • 動き回るのが好き
  • 実際に触れて感じたり考えたりすることが好き
  • 役になりきるのが得意
  • 学んだことを実際にやってみることが得意 etc...

6.「ギフテッド」の診断

6-1 WAIS-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)

 WAIS-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)は、成人を対象とした知能検査です。総合的なIQと「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4項目を測定できます。総合的なIQと「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4項目は、それぞれ100を平均として、数値化されます。

得点分類全体の中の割合(%)
130以上非常に高い2.5
120〜129高い7.2
110〜119平均の上16.6
90〜109平均49.5
80〜89平均の下15.6
70〜79低い6.5
69以下非常に低い2.1

 「ギフテッド」をIQテストのみで判定することは、8つの知能すべてを測定できず、すべての「ギフテッド」を判定できません。しかし、どの分野が得意なのかがスコアで出るため、知的な才能を測る指標としては一定の信頼性があります。

6-2 QEEG検査

 QEEG検査(定量的脳波検査)では、脳波を測定して脳の状態を可視化することで、どの部位が活性化しているのかなど、客観的な診断が可能です。これにより、発達障害特性、ストレスや不眠の状態をある程度、客観的に診断できます。医師の問診とも合わせ、「発達障害」や「ギフテッド」の程度(グレーゾーンなど)も診断できるため、ひとりひとりに合った治療やトレーニングが可能です。

7.「ギフテッド」の大人は生きづらい

 「ギフテッド」は、その才能から注目を集めたり、憧れの対象となることも少なくありません。しかし、多くの「ギフテッド」は、大人になるにつれて、生きづらさを感じています。なぜ、「ギフテッド」の大人は生きづらいと感じてしまうのでしょうか?

7-1 他人と違いすぎる

 人は、「個性」を重んじると同時に、「共感」や「同調」も大切にする生き物。「自分と誰かは同じである」という事実は共感を生み、安心感を与えます。しかし、「ギフテッド」は「知能」や「能力」が高すぎるため、物事の捉え方や取り組み方、出す結果まで、周囲と変わってきます。その結果、「共感」や「同調」するのが難しくなってしまう傾向に……。他人との差異に不安を持つ傾向にあります。

7-2 他人に理解されない

 普通の人と「ギフテッド」とでは、知能指数に違いがあります。そのため、お互いを理解できずに衝突してしまうことも……。「ギフテッド」は医学的診断がなく、明確な証明ができないため、周囲の理解を得られないという憂き目に遭います。

7-3 周囲に合わせるのが苦痛

 才能を発揮すると、孤立することがわかっている「ギフテッド」は、無理に周囲に合わせて能力を隠します。しかし、自己を欺いて過ごすような生き方は、精神的負担を伴います。孤立への不安と周囲に合わせる苦痛とが板挟みとなり、生きづらさを感じてしまいます。

7-4 嫉妬から人間関係トラブルに発展しやすい

 人よりも優れた面を持つ「ギフテッド」。仕事でも好成績を残しやすい反面、周囲から嫉妬され、人間関係がうまくいかないことも……。気にしないのが一番ですが、人の気持ちに敏感な「ギフテッド」。悪意や敵意を的確に把握して傷ついてしまいます。

7-5 孤独や悩みを感じやすい

 高い知能や能力のせいで話が合う人がなかなか現れず、孤独を感じてしまうことも……。やりたいことが多すぎて、何から手を付ければいいのか悩んでしまう人もいます。孤独や悩みを長時間一人で抱え続けると、精神的不調に陥ってしまい、うつ病を併発してしまう人も……。

8.「ギフテッド」の大人の生き方は?

 生きづらさを感じやすい「ギフテッド」。才能を伸ばしながら、無理せずに生きていくにはどうしたらいいでしょうか?

8-1 自分の才能を理解する

 生き方を模索する前に、自分の才能を正しく理解する必要があります。自分の得意なものや興味のあるものを分析し、才能を把握することが大切です。「何が得意で、何が苦手なのか」を正確に見極めることは、今後の生き方の指針になります。

8-2 他人と自分を比較しない

 他人と比較すると、差異を感じて孤独感や悩みを助長します。「人は人、自分は自分」と線引きすることも大切です。

8-3 才能が発揮できる仕事に就く

 興味を持てないものに取り組むことは、大きな苦痛を伴います。「興味が持てる職種」や「得意分野が生かせる職種」を選ぶことで同じ分野に興味を持つ人と出会えるようになります。そのため、職場の人間関係も円滑に進みやすくなり、孤独感や生きづらさも和ぎます。

8-4 苦痛から逃げる勇気を持つ

 才能を生かす方法が、すぐに見つかるとは限りません。時には理想と現実とのギャップに苦痛や孤独を感じたりすることも……。そんなときは勇気を出して、苦痛から逃げることが大切です。「逃げる」というとあまりいい響きではありませんが、居心地のいい仕事や居場所を求めることは、生きやすい環境作りに繋がります。

8-5 理解されることを期待しすぎない

 「周囲に理解してもらいたい」と期待しすぎてはいけません。「ギフテッド」の特徴や能力は人によって大きく異なります。そのため、なかなか理解されないのは仕方のないことです。過度に期待すると、理想との乖離に絶望してしまうことにもなりかねません。人に理解されなくても、自分を保てるよう自信をつけることが大切です。

9.「ギフテッド」の有名人は?

9-1 北野 武

 芸能界の大御所。IQ132といわれており、芸人や映画監督、俳優、芸術家として多角的に活躍し、世界的に有名です。明治大学に入学後、独り立ちしたいと退学を決意。職を転々としたのち、芸人修行を始め、漫才師として成功を収めます。

9-2 所 ジョージ

 マルチタレントとして活躍。IQ138と高く、頭の回転の速さや言葉のセンス、音楽や芸術的な才能など併せ持ちます。芸能界に入るきっかけとなった音楽活動やユニークなイラストの他に、身のまわりにあるものをリメイクした作品も人気です。

 大学時代、一度も授業に出席しておらず、入学時に学費納入の手続きも忘れていたことから、一年生の時に除籍になっています。授業には、出席していませんでしたが、アーチェリー部での活動は大学を除籍になるまで、熱心におこなっていました。「型にはまらない自由な生き方」は、才能を最大限に生かして成功を収めた「ギフテット」の特徴です。

9-3 中田 英寿

 子どもの頃から類まれな集中力と理解力があった中田英寿さん。小学校3年生でサッカーを始め、中学3年生でU15日本代表に選抜。その後、すべての年代別日本代表に選出されました。

9-4 アルベルト・アインシュタイン

 物理学者として知られるアインシュタインはIQ160以上あったといわれています。幼少期のアインシュタインはめったに口を利かなかったそうです。話すことがあっても、頭の中で言葉をチェックしたり、試しに小声でつぶやくクセがあったため、話すのがものすごく遅かったといわれています。

 9歳で「ピタゴラスの定理」の存在を知り、研究を重ねてその定理を証明するなど、数学に関して突出した才能を示します。大学時代は、物理と数学のみ飛び抜けて優秀でしたが、他の科目はいい成績とはいえませんでした。他の科目には関心を持たず、授業にさえ出ないことも……。興味のある分野だけ夢中になるなど、「ギフテッド」の特徴が顕著に表れています。

9-5 ビル・ゲイツ

 マイクロソフトの創業者として知られており、「IQ160」といわれています。また、相当な読書家としても有名です。読書は幼少期からの習慣で、弁護士である父と教員の母は、身近に書物を置き、平日はテレビを禁止することで、息子が本好きになるように誘導したといいます。また、読んだ本の感想から政治のことまで、あらゆる問題について、よく親子で意見を交わしていました。

 13歳になると、コンピューターに関心を持ち、プログラミングを始めます。のちにマイクロソフトの共同設立者となったポール・アレンとともに、プログラムの誤りを探したり、コンピューターシステムをつくることで、報酬を得るようになります。その後、ハーバード大学に進学しますが、19歳の時にポール・アレンとともにMicrosoftを設立し、大学を退学。天才的といわれるプログラミング能力と経営感覚が相まって、世界中に知られる会社へ成長します。

9-6 ローワン・アトキンソン

 ミスタービーンズで有名なアトキンソン。誰にも真似できない個性的な演技で世界中を魅了する人気のコメディアン。「Mr.ビーン」などコメディ作品で、主演をつとめてブレイクしました。コメディアンとして知られているため、ふざけたキャラクターが定着していますが、IQ178で「天才」だといわれています。

 その経歴をみれば納得で、小学校から勉強の得意だった彼は、中学から名門の男子校「セント・ビーズ・カレッジ」に通い優秀な学生時代を送っています。大学ではイギリスでも屈指の名門校「ニューカッスル大学」に進学。卒業後は、世界1位にもなったことがあるイギリスの「オックスフォード大学」の大学院に進み、修士課程を修了しています。

10.アメリカで進む「ギフテッド教育」

 「ギフテッド教育」はアメリカではかなり昔から取り入れられています。日本では「ギフテッド教育」の概念がまだほとんど取り入れられておらず、「先取り教育」が導入されています。「ギフテット教育」と「先取り教育」は、一見同じように見えるかもしれませんが、その実情は少々異なります。

10-1 思考力と問題解決力を伸ばす

 アメリカの「ギフテッド教育」では、思考力と問題解決力を伸ばすカリキュラムが組まれます。アメリカの小学生が「ギフテッド」と認められると、週に1回など決められた日数をさまざまな学年の「ギフテッド」の子どもたちの集まる「ギフテッドクラス」で授業を受けます。

 「ギフテッドクラス」の授業では、難しい内容を先取りするだけではなく、答えのない問題について論理的に考えて結論を出すなどじっくり考える機会を与えます。また子どもたちの探究心を刺激する研究プロジェクトに取り組ませ、研究結果のポスターや模型を作り、保護者の前でパワーポイントを使ったプレゼンテーションします。「ギフテッドクラス」での授業と並行で、普段の教室でも他の子どもたちより難しい内容を学習させたり、優秀な科目の授業を上の学年で受けたり、飛び級したりします。

10-2 日本の「先取り教育」との違い

 「ギフテッド」の子どもは、概してIQが高く、語彙が豊富で学習能力が高いとされています。同学年の子どもたちと同じ授業を受けると、簡単すぎる授業に退屈したり、高度な発言に周りの子どもたちがついてこられなくて孤立してしまうことも……。その結果、「学習に対する興味を失ってしまう……」といったことにもなりかねません。その対策として、「ギフテッド」の子どもたちに適した環境で学びの場を与えることが、「ギフテッド教育」です。

 それに対して、日本の「先取り教育」では、日本では決められた学習内容の平均的な進度よりも速いスピードで習得していきます。「いかに効率よく的確な学習するか」が重要視されるため、優秀な成績を収めて自信を持てるなどのメリットがあります。しかし、その一方でスピードを重要視するため、暗記や公式の利用といった能力が優れるばかりで、根本理解や課題解決能力が育ちにくいという面もあります。

 このように、「ギフテッド教育」は、子どものニーズに合わせたカスタム教育なのに対し、「先取り教育」は、固定の枠組みを早送りで進んでいく教育といえます。

11.「ギフテッド」の理解を深めよう

 才能溢れる輝かしいイメージのある「ギフテッド」。しかし、「ギフテッド」は天才ゆえの苦悩を抱えています。日本ではあまり知られていなく、大人になってから判明することも多いのが現状です。周囲との差異に生きづらさを感じてしまうこともあるかもしれません。「ギフテット」の理解を深め、自分の得意・不得意を知ることで、「自分らしく生きられる道」を見つけていけるはずです。

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